江戸川乱歩怪奇漫画館のあらすじ
日本を代表する推理作家・江戸川乱歩の没後50周年を記念して作られたコミカライズ作品。
コミカライズを手掛けたのは、怪奇漫画の草分け的存在と呼ばれる古賀新一氏。本作では、古賀氏が過去に描いたコミカライズ作品の中から、厳選したものだけをまとめている。
収録作品は――夜な夜なアパートの屋根裏に潜り込むミュージシャン・サブの異常愛を描いた「屋根裏の散歩者」。大金持ちでイケメンの男性と結婚した新婦が、夜中にひそひそと土蔵へ向かう夫をつけ秘密を知ってしまう「人でなしの恋」。推理作家の寒川五郎が商社重役の妻・小山田静子と知り合い、恋に落ちる「陰獣-影なき男の影-」――の3篇。
他にも「旧江戸川乱歩邸」といった資料や、コラム記事も収められています。
江戸川乱歩怪奇漫画館のおすすめポイント
江戸川乱歩氏の奇妙な世界観と古賀新一氏のおどろおどろしい絵柄非常にマッチしており、コミカライズ作品としてクオリティが高いものに仕上がっています。
短編集なので読みやすいですし、収録されているのは怪奇ものばかりです。 しかもただ単に原作をコミカライズしただけではありません。独自のアレンジも加えられています。古賀氏だからこそできるアレンジというか、怪奇漫画を得意とする著者ならではのコミカライズ作品になっています。
もちろん見どころは漫画だけではありません。巻末には乱歩に関する資料やコラムも収録されているので、すでに江戸川乱歩を読んだことがあるという方にも充分おすすめできる内容になっています。